日本企業での海外赴任以外で海外で仕事をする、探すとなると一番最初の壁はレジュメ(履歴書)作成です。語学学校の学生アドバイザーとしてよくレジュメのレビューをお願いされるので、日本での新卒での就活、カナダでの就活、日本企業での転職活動を経た経験から、日本式履歴書との違いと書き方について書いてみます。日本語の後に英語で日本で就職を目指す人向けにも記載しますね。(私はキャリアアドバイザーではないので、あくまでも私の経験に基づいたアドバイスとなることを前置きさせていただきます。)
内容と見た目の違い
双方の履歴書に記載される一般的な内容は以下の通りです。
<記載される内容>
- 日本の履歴書
- 基本情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス、性別、年齢、顔写真)
- 学歴
- 職歴
- 資格情報
- 志望動機
- 自己PR・趣味
- 海外(カナダ)のレジュメ
- 基本情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス)
- Objective Statement
- Skills / Qualifications
- 職歴(with Job description)
- 学歴
- References
日本の履歴書では基本的に事実のみを記載しますが、カナダのレジュメでは実際にどんなことをやっていたかと何ができるかの部分が重要になります。重要なのが、カナダのレジュメでは性別や年齢、出身地、ビザのステータス、顔写真など採用されなかった場合に差別されたと見做される可能性がある情報は載せないということです。もちろん雇用主によっては記載するように採用広告に書いているところもありますが、基本的には記載しなくて大丈夫です。(特に日本食レストラン等ワーホリの雇用者がたくさんいるところはビザ情報を聞いてくる傾向があります)
もっとも見た目が違うので、イメージを持たせるためにも以下に載せますね。日本の履歴書は基本的に見た目がどれも同じですが、カナダのレジュメはもっとバラエティに富んだ見た目をしていて個性を出せるのが特徴です。
解説:日本の履歴書
日本の履歴書には基本的に以下の内容が記載されます。
- 基本情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス、性別、年齢、顔写真)
- 学歴
- 職歴
- 資格情報
- 志望動機
- 自己PR・趣味や特技
順番に説明していきます。
基本情報
名前や現住所、電話番号(携帯電話と自宅の両方の記載を求められることが多いです)、メールアドレス、性別、年齢、顔写真を記載。顔写真は背景が青、白、グレーが基本で黒スーツと白いワイシャツの着用が必要。
学歴
高校卒業から最終学歴まで記載。入学年度と卒業年度をそれぞれ一行ずつに書いていくことが必要で、西暦で書く場合と元号で書く場合がある。学部学科や専攻も学校名と一緒に記載する。学校の所在地等は不要。
職歴
アルバイトを除いた職歴が該当するため、新卒採用時は”なし”と記載。正社員・契約社員問わず、社会人以降の職歴を入社・退社年度と簡単な事業内容及び担当業務とともに記載する。自己都合により退職した場合は、”一身上の都合により退職”と退職年とともに記載する。それ以外の場合は理由を記載する(企業の倒産等)。
資格情報
運転免許、語学資格(TOEICや英検)、その他技術資格等を取得年度とともに記載。あまり応募職種に関係ないものでも記載は可能。特技の欄に書いても良い。
志望動機
新卒採用の場合は、学生時代に頑張ったことや得意なことを含めてどうして本ポジションを志望するのかを記載する。中途採用の場合は、前職での経験を踏まえ、どうして志望するかを記載する。募集ポジションにより、志望動機は変わる。そのポジションにあった志望動機を考えられるかがポイント。また、同じような事業をやっている企業はたくさんあるので、企業研究を行い、その企業の持つ特徴に合った志望動機にすることで書類選考通過率が上がる。
自己PR・趣味や特技
新卒採用の場合も中途採用の場合も基本的には同じだが、自分がどんなことを経験し、どんなことができ、それをどんな部分でその企業で活かせるか、を記載することが大切。新卒採用では学生時代に経験したことからどんなことができるかを記載すると説得力が上がる。中途採用では前職での経験をどう活かせるかを記載する。字数にも制限があるので詳細を記載する必要はないが、筋の通った話をすることが大切。また、趣味や特技から人柄を想像するので、自己PRに繋がりそうな実際の趣味や特技を書いてあげると良い。
解説:カナダのレジュメ
カナダのレジュメには以下内容が記載され、順番に説明をしていく。
- 基本情報(名前、住所、電話番号、メールアドレス)
- Objective Statement
- Skills / Qualifications
- 職歴(with Job description)
- 学歴
- References
基本情報
名前、現住所、電話番号、メールアドレスのみをレジュメのトップに記載する。顔写真は載せても載せなくても良い。載せる場合は、プロフェッショナルに見える写真であればかっちりスーツを着る必要はない。
Objective statement
ここは日本の履歴書でいう志望動機+自己PRの簡易バージョン。応募する職種によって書き方は多少変わりますが基本的には、どんな経験をもって、応募職種に募集しますという風に記載する。例文は以下。
With [experienced years] of experience in [experienced sector], [experienced sector], and [experienced sector], I am a certified [certified skills] seeking a challenging role as [position]. Utilizing my [skills], I aim to contribute to the success of the company while further developing my professional skills and knowledge.
ここでは、募集ポジションに適用できる勉強し得た資格や経験スキル等を記載の上、レジュメのサマリーのような形で記載をするのがポイント。
Skills/Qualifications
応募職種に適用できそうな自身の持つスキルを記載。日本の履歴書に記載するような資格情報(運転免許やTOEIC等)ではなく、もう少し具体的に文章でどんな事ができるかを記載するのがベスト。例えば、
- Educated to deal with multicultural clients in the business field.
- Being open-minded, having sociable manners, and being able to respond to customers with kindness and loyalty.
- Proficient in Microsoft Office applications (Outlook, Excel, Word, PowerPoints).
- Strong communication skills in English and Japanese.
他にも例えばBC州でサーバーへの応募をする場合は、Serve it right を記載した方がいい等ある。
職歴
新しい順に職歴を記載する。学生時代のアルバイト等は応募職種に関係しそうなものだけピックアップして記載していくのがポイント。役職、会社名、期間以外に、その会社の所在地と実際にどんな仕事をしていたかも記載するのが良い。例えばレストランのサーバーなら、
Server Staff [month][year] – [month][year]
[company name]., Vancouver, BC
- Served food, checked, guided to the seats, and took orders in the local restaurant.
- Designated seats to customers efficiently to increase store turnover efficiency to improve customer satisfaction due to constant congestion.
- Utilized a POS system to enter customer orders and process transactions.
業務内容は分詞構文での記載が必要で、現職の場合は現在分詞、すでに退職している場合は過去分詞で記載する必要がある。
学歴
職歴と同様新しい順に記載する。高校卒業以降(大学やカレッジ以上)のみを記載するのが好ましいが、高校卒業までの場合は、その情報を記載する。どんな事を勉強していたかについても、軽く記載するほうが良いため、受講していた授業名等を記載するようにする。
Bachelor of [name of your major department] [month][year]– [month][year]
[School name] Tokyo, Japan
Learned [class name], [class name], [class name], and [class name].
Reference
これは北米でよく行われる身辺調査のようなもので、過去の雇用主にどんな人かや働き方等の確認をするもの。前職のマネージャーや同僚、学校の先生などにお願いするのが一般的。もしすでに過去の雇用主からリファレンスとして名前を上げていいと言われている人は、レジュメに記載すると選考プロセスがスムーズに進むが、基本的には*”Available upon request.”*と記載しておけば問題ない。
今回は、軽くレジュメの書き方について記載しました。もう少し詳細については別途記載します。